2013年8月4日日曜日

ソーシャルウェアの力を再発見。エンタープライズソーシャル・フェスティバル 2013 に参加しました。


8月1日に行われたエンタープライズソーシャル・フェスティバル 2013(ESF夏)に
参加させていただきました。

イベントの存在は、Pachiさんのfacebookでの書き込みで知ったのですが、
大川さんや岡村さんなど気になる方のお名前も見えたので、すぐ申し込みました。

6月末のOpenJIBIKIのおかげで、Peatixにも慣れていたので、すぐ申し込めました。

<セミナー概要>
■講演
   - 『組織を動かす新たな力』
     株式会社 ソフィア 森口 静香 
   - 『コラボレーションに必要な”協力”というインセンティブ』
     株式会社 CSK Winテクノロジ 前田 直彦
    - 『エンタープライズ・ソーシャルウェアに必要な3つのこと』
     日本アイ・ビー・エム株式会社 大川 宗之
   - 『ゲームの力で仕事を楽しくする』
     株式会社 ループス・コミュニケーションズ 岡村 健右

■ベンダー各社による2分間のライトニングトーク

■パネルディスカッション
  モデレータPachiさん+上記の方々。

資料が in the loop のfacebookグループにて共有されていますので、
詳細については、そちらをご覧ください。
https://www.facebook.com/groups/inthelooop/
(非公開グループなので、参加リクエストが必要です)


さて、私なりに印象に残ったことを書きます。

■講演
 最初は、森口さん

懇親会でお話ししたときに、「私だけIT系じゃなくて。。」とおっしゃっていましたが、
「さまざまな社員との接点を使う」という森口さんの意見が、
最もInformationTechnorogyっぽいなと感じました。 

○プレゼン概要

今の企業内には、
 1 セクショナリズム、2 指示待ち体質 3 聞こえない 届かない の 課題があり、
もはや企業風土として定着してしまっている。

だけども、経営側が求めるのは、
 全く反対の、イノベーション、チャレンジ、変革

その明らかなGAPを埋めるには、
 相手の心に響く、相手が動くコミュニケーションが必要。

しかし、社員には、
 和を重視する調和型 業務重視のフリーズ型 目的志向の行動型 スキル重視の研究型
などがあり、それぞれで求めるものが違う。

それぞれの琴線に触れる部分がある。

だから、様々な社員接点を使う。
表彰、ナレッジ共有、何か一つではなく、すべてを駆使する。万能薬なんてない。

その一つとしてとしてソーシャルウェアには期待している。

だけど、PCで仕事していない人もいる。(労働人口の36%)
この人たちをどう巻き込むか、回答の一つはHUBになる人の活用。


次に前田さん

 前田さんのキーワードは、ずばりインセンティブ。
 人の働き方を変えるには強烈なインセンティブが必要。

 ひとは、メリットよりもリスクを過大に評価する。
 よくわからないソーシャルを始めるのはリスク。
 だから、ソーシャルを使おうとしない というのは、目から鱗でした。

○プレゼン概要
 ESN成功の秘訣は、
  相互に意思を伝達できる人の存在 コラボレーションへの意欲 目的の一致

 ESNを成功させる5つのステップ
  
  共通なビジネス テーマの設定
  発言が推奨される企業文化の醸成
  発言によりつながりが強化される仕組みなど。


※冒頭にお話しされた、Blue Bottle Caféで
”Blue Bottle Café would like to thank UCC Ueshima Coffee Company”と
サイフォンに書かれているという話は、こちらのブログでも記載されていました。

http://sfbitebite.com/blue-bottle-cafe/


そして、大川さん
Pachiからお名前をうかがっていましたし、blogも見せてもらっていたので、
 話を聞くのを楽しみにしていた中のおひとりです。
 わかりやすく核心をついた資料と、流れるようなプレゼン技術で、
 思わず「CONNECTIONS下さい」と発注しそうになりました。

 懇親会でお話しさせていただいた時にも、ソーシャルウェアで企業を活性化させるには
 どうすればいいか、それに対する自社他社ツールの強み弱みなども押さえておられて、
 この人に任せておけば安心だなと思わせるものがありました。
 
  
○プレゼン概要
 (挙手を募ったあと)今日の参加者の7-8割がツールベンダーやSIer。
 現状のソーシャルウェアの状況を表していると思う。

 これまでの方のプレゼンの通り、透明力を支えるツールが必要。
 では、グループウェアと何が違うのか。3点。

1 発信しやすい
   しかし、フロー情報が中心。 ストックの仕組みも必要。ファイルをいかにソーシャル化するか。
 ソーシャル化の鍵は、フィードバック。
 アクセス履歴、いいね、コメント。
 ハードルの高さとモチベーションは比例する。いろんな仕方を用意する。
 そして、社員のエンゲージメント力を高める。

2 探しやすい
   情報の洪水に対応する。
   タグで絞り込み、ソートで浮き上がらせる。
   複数のタグで抽出しランキングする。
   タグもランキングも利用者の行動が源泉。

3 気づきやすい
   いわゆるFOLLOWの力。 情報と行動が飛び込んでくる。
   行動の情報も必要ということで、アクティビティストリームと呼んでいる。
 優秀な営業をフォローすると背中が見える。
  フォローは人だけでなく、ファイルやページもフォローする。

 イイねは、情報の拡散にも役立つ。可視化のプラットフォーム。

最後はこの言葉で終える。

「伝統的な労働力体制の下にあっては、働く人々がシステムに仕えたが、
 知識労働力体制の下では、システムこそが働く人々に仕えなければならない

 - ピーター・ドラッカー


最後に岡村さん。

ゲーミフィケーションのテクニック的な話が聞けるかなと期待していたのですが、
良い意味で裏切られました。

冒頭にFacebook 社 - Salesforce でソーシャル化を実現の動画。



これを見て、私たちは現状のadd-onとしてソーシャルウェアの導入、推進を考えているけど、
実は、世の中は既に変わっていて、それに追いつかなければいけない。
ソーシャルウェアを導入・活用しないことは、すでにリスクなんじゃない? と思いました。

これを社内の人たちに認知させれば、前田さんのおっしゃるリスク回避の論理で、
みんなこぞってソーシャルウェアを活用するようになるのでは。。。


また、業務の効率化、イノベーションを創り出す、オープンな会社にする という目標は、
会社の都合であって、社員自身が価値を感じる施策が必要 という話も、なるほどなと思いました。


○プレゼン概要
 facebookは結局何をやっているか? 
 バッジで感謝し、褒める、評価し合う 楽しみながら。
 ゲームはなぜハマる?(フロー理論)
 そのなかで、 明確な目的と、活動に本質的な価値がある、ことは重要。
 

■ライトニングトーク
  2分しか持ち時間がないなかで、どんどんプレゼンが進んでいくのは非常に面白かったです。
  参加されたのは、 以下のサービスの方々でした。
  オーシャンブリッジ(Zyncro)  ガイアックス(Co-work)  セールスフォースドットコム(Chatter)  ユニークビジョン(ベルーガ) サイボウズ(サイボウズ式) シンクスマイル(CIMOS)  電通国際情報サービス(spigit) エルイズビー(tasktalk) Sansan(Sansan) wantedly(wantedly)

■ パネルディスカッション
  いよいよPachiがモデレータとして登場。プレゼンで登壇者たちの立場の違いは、
  わかりだしてきたので、面白そう。。と思ったのですが、
  時間が少なくかなり、巻きの状態になってしまいました。ちょっと残念。

  少ない時間で選ばれたお題は、いずれも本質的なものでした。

  猛獣たちを従えて、Pachiのモデレータぶりはさすがでした。
  (猛獣たちがかなり空気を読んでいるような気もしましたが。。)
  

○パネル概要
  ・エンタープライズソーシャルの成功例は?
   岡村さん 20社くらいいれたけど全て失敗。これから。
   大川さん  教育関係で成功事例はある。全国でバラバラに作っていた教材の共有が
          はかれたなど。
   前田さん SCSKでは、毎日くだらないことが書かれている。けど、思ったことが書けるという
         良い雰囲気になってる。人材の引き止めに役に立っている。
   森口さん 営業さんがお客様の質問をその場で答えられたという事例はある。


  ・いわゆるボトムの二割をESNは変えられるか?
   岡村さん 施策としてはみんなの仕組みが必要だが、みんなが使う必要は無い。
   大川さん  二割とか年配が積極的に発信するのは無理。 リードオンリーでも価値がある。
   前川さん  すごい人の影響力はあると思う。出来る。
   森口さん  そもそも、なんでその人は腐っているかが問題。理由はそれぞれ。
          適切な処置はするが、結果は必ずしも出ない。


帰りがけにPachiの言ってた言葉が印象的でした。

この人たちはProだから、一緒に仕事をしていると気持ちいい。

結局、人とその熱意だよね ってことで気分よく帰途につきました。